2005-01-01から1年間の記事一覧

私は私の文章から疎外されている

2005/12/15(木) 13:27:49 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-182.html 私が書いた文章は、私から疎外している。文章は私から疎外されているし、私は文章から疎外されている。両者はそれぞれ独立して相対する。 私が書いた文章は、私から生まれたものだ。…

自由主義と非人格的権力

2005/12/12(月) 17:57:57 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-178.html シェルドン・S.ウォーリンによれば、自由主義者達は、その思想の帰結として、非人格的権力の支配を承認する。自由主義が個人を擁護してきたのは、何らかの人格的権力からであって…

刑法についての試論

2005/12/11(日) 21:39:28 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-179.html 刑法について書いてみたいと思う。法学部でもなく、刑法の入門書すら読んだこともなく、刑法の学部講義ですら受講したこともない私には、全く以て無謀な試みと言うほかないが、物は…

イデオロギッシュにニートを撃て

2005/12/02(金) 23:48:21 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-175.html ウェブ上でタダで読める文章をまとめた本を、逡巡しつつも結局買ってしまう私は、やはり旧世代の人間ですか。 『知に働けば蔵が建つ』 内田樹 内田さんの本は、『寝ながら学べる構…

社会科学とは何か

2005/11/20(日) 00:54:02 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-167.html 別に私は社会科学をやっているつもりも、やるつもりも(たぶん)無いけれども、社会科学とは何かということを考えることはある。私の答えは単純で、「社会の問題」を扱う学問だ、と…

「出口」が無いなら住んでみる

2005/11/15(火) 19:56:19 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-165.html 本日2限の社会学史Ⅱは、批判理論の回だった。私のフランクフルト学派に関する知識といえば、二次的・三次的な拙いものでしかないのだけれど、その拙い情報を頭の中で繋ぎ合わせな…

告発の「その先」

2005/11/07(月) 18:02:04 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-161.html 前回の余りを以下に載せておく。責任論の文脈では蛇足だったので、カットした部分である。一応前回の末尾に続く形になっている。本当はもう少し膨らまして改めてエントリするべきだ…

責任って何かね

2005/11/05(土) 16:26:50 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-153.html 森 あるメディアのシンポジウムで、僕が話をしたあとの質疑応答のとき、NHKのプロデューサーが発言しました。「メディアの責任について、森さんはどう思うか」と。 このとき彼が…

自由から自己性へ

2005/10/29(土) 14:56:30 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-157.html 仕事も私生活も経済的にも愛情的にも、一般的に見てどんなに満たされているはずであっても、どこかで満たされない思いが残る、ということはとても普遍的に経験されることだと思う。…

「祭り」とは権力の不可視化であるか

2005/10/23(日) 22:53:02 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-154.html araikenさんが久々に私の言説を料理して下さった。内容としては過去の議論以上のものは無いと思ったし、後半は私への批判としては全く的外れに思えたが、いい機会なので、以前なさ…

賢愚の問題として靖国を考える

2005/10/18(火) 20:31:55 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-150.html 靖国問題について少し書く。 まず、「内政」として首相以下の国家枢要の地位にある人間が一個の民間宗教法人に参拝に出向くという行為には、政教分離規定上の疑義がある。私はあま…

アナーキズムと民主主義

2005/10/16(日) 16:32:22 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-149.html アナーキズム解説書の古典、G.ウドコックの『アナキズム』を読む。まだ途中だが、とりあえずプロローグから引用しておきたい。 アナキズムを民主主義の極端な形態とみなすほど、…

「規約」をめぐる二元論とその相対化

2005/10/04(火) 21:26:52 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-141.html さして主張の中身があるわけではないが、一応書いておいたほうがよいだろう。 論点がクリアになった感を持ったことは嘘ではないが、同時にこれはクリアになりすぎたというか、こう…

新自由主義的言説の二重構造

2005/10/01(土) 21:57:01 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-139.html いちヘルパーの小規模な日常 2005-09-29付エントリのコメント欄より引用。mojimoji 『沢山ありますが、杉田さんの新刊との関係で言えば、彼らが就職活動で直面する困難一つとっても…

市民権と社会権の共通性

2005/09/30(金) 00:49:49 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-138.html 流行り物には乗っておけ、というわけではないが、ようやく読んだので、『「資本」論』稲葉振一郎。 と言っても、ある程度確かな引っ掛かりを感じるような箇所もあまり無く、殊更に…

「愚民」でいいから幸せが欲しいニャア

2005/09/16(金) 21:10:21 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-136.html 愚民が愚民でなくなる可能性のために 愚民とは、説明を要求しない人のことである 自分の凡庸なアナロジーが若干文脈が違うように思われるところで繰り返し批判にさらされているのを…

売れない芸人

2005/09/12(月) 16:09:36 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-135.html 今日のいわゆる質疑・討論の問題点は、政府対民党という明治からの歴史を継いでいますが、とくに戦後、旧保守・革新いずれも教条的組織政党をめざした結果、国会は賛否を討議で決定…

民主主義者の傲慢

2005/09/10(土) 14:57:44 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-134.html 「投票に行かない、という人たちへ」 および、その中身の「個人的選択と社会的選択」 @モジモジ君の日記。みたいな。 どっちにトラックバックするべきか迷う。 それにしても、まる…

選挙制度と政党

2005/09/09(金) 21:55:30 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-131.html 誰も教授してくださらないようなので、とりあえず書くだけ書いてみる。知識不足は今更言うまい。 これまで自民党新人は世襲や国会議員系列の地方議員などから起用されることが多く…

隠れ布教者の誘惑に抗して

2005/08/28(日) 00:16:46 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-121.html 誘惑@祭りの戦士 何かを手にしようとするなら、何かを失わなければならない この言葉だけを取り出して語るよりも、この言葉が発せられた文脈から検討したほうが妥当だろう。 文脈…

割り切れない世界で

2005/08/24(水) 00:18:36 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-120.html あんたの無関心が、人様が心地よく生きるのを難しくしてるんだよ。 こういう言い方が私は好きではない。 私達は誰でも他人を傷付けて生きている。他人を排除し、抑圧し、差別し、搾…

敵に似るというブービートラップ

2005/08/21(日) 16:11:39 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-119.html 別にわざわざエントリを起こすほどのことを書こうとは思わないのだが、昼間は暑くて勉強する気になれないこともあり、拙論とじゃれ合ってくれるあたたかな方々の議論がそれなりに蓄…

選挙へのエゴイズムの見解(試論)

2005/08/21(日) 00:18:41 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-118.html 今日は選挙について書こうと思う。一般論として、有権者は投票に行くべきか、行かざるべきか、ということだ。思いもかけず解散・総選挙の季節となってしまったので、私はこのことに…

他者を他者として扱う

2005/08/13(土) 16:21:32 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-116.html 以下は全て『ポスト・モダンの左旋回』からの引用。 しかしそうしたレヴィナスの「他者」論に対して、デリダは、「他者」について「語る」ことが可能であるためには、やはり語る主体(…

免罪符は要らない

2005/08/12(金) 19:44:11 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-115.html 『マルクスだったらこう考える』的場昭弘は、基本的につまらない本だった。敢えて言及するなら、ということで以下。 現実の出来事や問題に関して、宗教に解決を求めてはいけない。…

祭にまつわるエトセトラ

2005/08/11(木) 19:18:05 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-117.html 政治的・人間的センスを疑うのは自由だが、興味を持てないものは持てないのだから仕方がない。という話はどうでもよくて。 「具体的なビジョンによって構想されるマクロな変革さえ…

まぁまぁ。

2005/08/02(火) 15:16:37 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-113.html 帰省前最後の更新ということで。 rorygallagherさんから頂いたトラックバックも検討したいところではあるが、やっぱりまだまだ自分の考えもクリアになっていない気がしてきたので、…

共同性の社会学、あるいは祭りと日常

2005/07/31(日) 16:35:42 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-111.html 「祭り」というテーマに関しては、まだまだ思うところはある。 藍川さとるの「晴天なり。」シリーズ第三巻『サンクス・ア・ミリオン』から少し。 小さな頃には よく あったよな たと…

祭りの後、逸脱の果て

2005/07/31(日) 16:28:33 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-108.html 私は過去、araikenさんの内田樹氏批判について断続的に横槍を入れてきた。そしてaraikenさんのアプローチに漠然とした疑問を呈しながらも、一旦槍を収めた。あの時のぼんやりとした…

生命学とエゴイズム

2005/07/30(土) 00:28:56 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-110.html 『生命学をひらく』森岡正博を読了。 確かに、著者のこれまでの仕事をわかりやすく要約するような内容で、手頃だと思う。これなら中高生にも薦められる。 だけれども、森岡が使う「…