2008年の3冊


年内はもう書かないと思うので、締めの挨拶を兼ねて、軽く書いておきます。今年はもうポツポツとした書評と「かかわりあい」ぐらいしか書かない予定だったのですが、事情が変わったせいで異様に精力的な更新をする局面に見舞われてしまいました。いつになったらこのブログはブログらしくなるのでしょうか。

ブログらしくない要素の一つなのかどうか知りませんが、私は買った本や読んだ本をいちいちブログに書き留めておく習慣を持たないので、今年出た本がどれで、今年読んだ本が何なのか全然覚えていません。なので、今記事一覧を眺めていて思い出したものの中から3冊選んで今年の本としておきます。


変貌する民主主義 (ちくま新書)

変貌する民主主義 (ちくま新書)


書評は書きませんでしたが、今年出た政治学・思想史系統の本の中で一番印象に残っているのがこれで、たぶん一番秀逸なのもこれでしょう。内容そのものに目新しい部分はそれ程あるわけではないと思うのですが、まぁとにかく流石と言うほかない。著者がこれだけ我を出しているところも新鮮でした。なお、知的密度と学的真摯さにおいて著者と同様であろう塩川伸明による『民族とネイション』は未読です。


死刑 人は人を殺せる。でも人は、人を救いたいとも思う

死刑 人は人を殺せる。でも人は、人を救いたいとも思う


エントリに採り上げたところでは、これでしょう。死刑については、とりあえずこの本をじっくり読むことだと思います。その先の問題――それが「先の」なのか「手前の」なのかよく分かりませんが――については、後に回しておく方が良い。そういえば藤井誠二の対談本が出ているはずですが、見ていません。


ゼロ年代の想像力

ゼロ年代の想像力


あとはあんまり無いのですが、期待の程度に反して刺激的だったという経験から、この本を挙げておきます。「覚え書き」を書いたことで個人的にはこれから社会学的な社会評論や批評的な社会分析とは今まで以上に距離を置くことになると思うので、今後著者の作品にどれだけ触れる機会があるのかも謎ですが、とりあえずこの本は面白かった。まぁ確かに色々問題はあると思いますけれども、私は批評には(学問的な)批判はしないことにしている――と言うよりしてもどうしようもないと思っている――ので。


そんなところで、本年はお終いにします。来年もどうぞ宜しくお願い致します。