2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

"the veil martyr"

以前採り上げたことの責任感で、「ドレスデン法廷でのムスリム女性刺殺事件」についての続報記事リンクを二つほど貼っておきます。いずれも10月26日付の、アルジャジーラと独シュピーゲル誌の英語サイトから。 German on trial over Muslim murder Man Stand…

「一般意思2.0」の勘所、あるいは「データベース民主主義」の理論的位置

私の論文などに興味がある人はごく少数でしょうから、ブログマターに戻って先日の話を続けましょう。デモクラシーについての私の理論的立場は既にお話したので、今回は東的デモクラシー論が持つ可能的意味にグッと焦点を絞りたいと思います。東さんは「朝生…

自由の終焉

ここ最近はデモクラシー関連の記事を続けているが、そろそろ別の話題もどうだろうか。というわけで本日、HPに「自由の終焉――「配慮」による内破と自己性への転回――」と題する論文をアップした。これは(記憶が定かではないので)たぶん昨年末から今年の初め…

ポストモダンが要請する新たな政治パラダイム――Stakeholder Democracyという解

私はリアルタイムで見ていたのですが、昨日の『朝まで生テレビ』に出演した東浩紀さんが、「インターネットがある現代なら、5〜10万人の規模でも直接民主政が可能だ」と力強く語っていました。この発言は、これまで彼が展開してきた一連の議論の延長線上にあ…

政治的敗者は政策過程から退出すべきか――山口二郎論説に寄せて

今週の『週刊東洋経済』(2009年10月24日号(第6229号))に、山口二郎のコラム「党派性を出すことで言論者の責任も明確に」が掲載されている。同記事には社会科学と現実とのかかわりについての山口の認識が顕著に現れているので、多少詳しく採り上げたい。…

吉田徹『二大政党制批判論』

二大政党制批判論 もうひとつのデモクラシーへ (光文社新書)作者: 吉田徹出版社/メーカー: 光文社発売日: 2009/10/16メディア: 新書購入: 2人 クリック: 54回この商品を含むブログ (31件) を見る 著者の専門はフランス政治。1989年以降の現代日本政治史の歩…

当事者と利害関係者の違い

「当事者と利害関係者」@Soul for Sale PhaseⅡ、より。 ステイクホルダーという概念が社会問題の中で有効に機能するのは、これまで発言を認められてこなかった人々を「当事者」として当該の出来事の中に巻き込んでいくときだ。それは会社経営に権利を持つ、…

暴力の定義について

http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20091008/p1 「文化的暴力」というのは概念的には半端で、無くてもいいものだと思う。政治的には重要なんだろうが。それにしても、「暴力」の語に反発を覚える人は多い。以下はまず、ご参考までに。 「暴力とは何か」(2008…

『ONE PIECE』における正義と信念の問題

宇野常寛『ゼロ年代の想像力』(早川書房、2008年)を読んで私が感じた最大の不満は、同著が90年代後半以降のサブカルチャー作品を多数採り上げ、漫画『DEATH NOTE』を新時代の「決断主義」を象徴的に描いた作品として詳しく取り扱いながら、同時期に漫画界…