2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

法外なものごとについて

文庫が出ていたので、ようやくと言うか佐藤優『国家の罠』を読んだのだが、やっぱりと言うかいささか過剰なぐらい面白いな。佐藤の本は下に掲げたものぐらいしか読んでいないが、その中でも群を抜いている。で、色々考えさせられたので…一応何か書こうと思う…

左翼とリベラル

赤木智弘氏の新著http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_c3f3.html赤木智弘氏の新著その2〜リベサヨからソーシャルへhttp://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_2af2.html 赤木さんの本は未だ手に入れていないが、以前紹介…

翻訳とマルクス主義的概念について

ゼミにて。翻訳についてのありがたいお話を聞く。大要は、元々アルチュセールやプーランツァスに影響を受けたネオマルクス主義者であるスチュアート・ホールを翻訳するなら、最低限そういう構造主義的マルクス主義者の翻訳苦闘の歴史を押さえておくべきであ…

民主主義についての不可解な使い分け

加藤秀一『ジェンダー入門―知らないと恥ずかしい』の末尾に、大略次のような主張が(橋爪大三郎の著書が示されつつ)書き込まれている。 「民主主義=多数決」という考えを捨て去らねばならない。なぜなら、民主主義の本質とは「議論を尽くす」ことであるか…

自由・自由・自由

安藤馨『統治と功利』勁草書房、2007年(主に10章)。安藤馨「統治と功利―人格亡きあとのリベラリズム―」『創文』第494号、2007年2月。 自由や自律に対して何らの内在的関心も寄せない、という立場は確かにインパクトあるなぁ。大屋さんは『自由とは何か』で…

幾つかの局地戦と「大局」

論座 2007年 11月号 [雑誌]出版社/メーカー: 朝日新聞社出版局発売日: 2007/10/01メディア: 雑誌この商品を含むブログ (6件) を見る 『論座』2007年11月号。小熊英二の談話と鈴木謙介の対談だけ立ち読み。小熊の記事は戦後左翼運動史を概説して「プレカリア…

力と魔

『情況』2007年9・10月号は、白井聡『未完のレーニン』特集。 情況 2007年 10月号 [雑誌]出版社/メーカー: 情況出版発売日: 2007/09/26メディア: 雑誌 クリック: 6回この商品を含むブログ (7件) を見る 白井さんが仲正昌樹や佐藤優、萱野稔人などと対談して…

正義の味方と悪の大魔王―『20世紀少年』についての小論

以前書いたように、漫画『DEATH NOTE』には相対主義的な正義観が貫かれている*1。この作品の世界においては勝者こそ正義であり、そこでは、「思想の相対性」を超越するような「真の正義」が在り得るのか否か、在り得るとしたらそれはどのような正義か、とい…