自由・自由・自由
安藤馨『統治と功利』勁草書房、2007年(主に10章)。
安藤馨「統治と功利―人格亡きあとのリベラリズム―」『創文』第494号、2007年2月。
自由や自律に対して何らの内在的関心も寄せない、という立場は確かにインパクトあるなぁ。
大屋さんは『自由とは何か』で安藤を最大の論敵に挙げて自由を擁護しようとしているが、最近の東浩紀などは安藤の立場に近づいているのではなかろうか。以下の対談は関連で参考になるかな。
http://blog.moura.jp/geetstate/f_10/index.html
もっとも東が最近示しているのは功利主義ではなくリバタリアニズムへの共感だったと思うが、功利主義とリバタリアニズム、それからリベラリズムとの間にある関係をどう考えたらよいだろうか。ややこしい。安藤も(井上達夫的な意味ではあれ)、功利主義的リベラリズムとか言う。えらいややこしい。
関連で私が書いたもの幾つか。
自由から自己性へ
http://d.hatena.ne.jp/kihamu/20051029/1130565390
自由主義と非人格的権力
http://d.hatena.ne.jp/kihamu/20051212/1134377877
ある無限速度機械について
http://d.hatena.ne.jp/kihamu/20070325/1174814192
私にとっての課題は大屋さんと安藤の間で、第三の立場を示し得ることができるかということだろう。シュティルナーに連なる立場から何かを言うことができるのか、今は本格的な思案を先送りにしている段階である。
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