告発の「その先」


2005/11/07(月) 18:02:04 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-161.html

前回の余りを以下に載せておく。責任論の文脈では蛇足だったので、カットした部分である。一応前回の末尾に続く形になっている。本当はもう少し膨らまして改めてエントリするべきだろうが、加筆する元気も特に無いので、まぁこんなもんです。


……


「その先」を見なければならない。搾取や特権の存在を告発したり、相対性や責任を強調したりするだけでは、もはや十分ではない。そんなことは分かっているのだ。


宮台真司は特にネオコンを挙げて彼らはそんなこと分かっているのだと言うが、私は皆わかっていると思う。そんなことは分かっていて、「それで何か?」なのだ。


「特権ですけど、何か問題でも?」。


告発に抗う人々はむしろ与しやすい。問題なのは告発に開き直る人々である。告発しているだけでは十分でないのだ。告発も啓蒙も重要なことであるし、誠意を持ってそれらに努める人々には私も一定の敬意を払う。しかし、同時に「その先」も考えて欲しい。


「それで何か?」と答える人々に何と応じるのか。「責任」や「規約」を語ったところで十分だとは、どうも私には思われないのだ。


確かに「それで何か?」と問う側にも、単純に開き直るだけでなくて其処に葛藤があって欲しい。しかし、葛藤しながら開き直りを見せている人々もいるだろう。どちらにせよ、「それで何か?」との問いに対して、彼らにも魅力的である答えを提示できない限り、結局「負け」てしまうだけなのだろう、と思わざるを得ない。


……


言いつつ、ちょっと加筆してしまった。どっちにしろ初出なので関係ないけど。