議論の魅力


dojinさんへの応答
http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20080117/p1


これを読んでいて何か言いたくなったのだけれども、何も言えそうにないのでメモ書きに留めておく。議論が噛み合わないのは、双方がそれぞれ相手の言説を誤解しているからなのか、それとも単なる思考スタイルの相違によるものなのか。私に議論を発展的に整理する能力が備わっていれば嬉しいのだけれども、残念ながらそういう事実は無いらしい。いずれにしても私はそれに相応しい立場に居ないだろうが、自らの力不足を嘆くばかり。ただ、ずっと同じような議論が継続しているという印象を持っており、自分が書いたものとしては以下を思い出した。


闘争・想像力・事実性
http://d.hatena.ne.jp/kihamu/20060322/1143018733


他にも関連するようなエントリはあったかもしれないが、その中でもこれが最も鮮明に私の思考スタイルを現わしているはずである。最近私がもう少しフォーマルな形で書いたものは、ここで述べられている問題意識に多少なりとも応えられているだろうか。そんなことも考えてしまうが、それはここではどうでもいいことか。


最後に、重要なのは論理的・規範的な「説得力」なのか、直感的・事実的な「魅力」なのかということは考えられてよい点だと思う。先日NHKで放送していた爆笑問題の番組で伊勢崎賢治が、「今の平和の訴えには「セクシーさ」が足りなくて、このままでは「敵」に負けてしまうだろう」という旨を述べていたが、私はそれも思い出したのだ。他方、「でも、平和ってその野暮ったさに価値があるんじゃないの」という太田光の言にも頷くべきところが十分にある。いずれも「魅力」についての議論であり、ここにはもう少し詰めて考えるべき余地があるような気がする。