左右確認、保守革新


2005/04/20(水) 18:44:20 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-47.html

保守・革新の対立と左右対立は区別すべきものです。
しかし、これらは多くの場合混同されています。
私は左翼ではありませんが、革新主義者の側に位置すると思います。


右翼は社会を想います。左翼は個人を想います。
両者に見るべきものがあると思います。
しかし私は「共同体の仮面」も「無知のヴェール」も拒絶します。個人に対して必要以上に道徳性・倫理性や「強さ」を求めたくありません。
私は両者の長所だけを抽出したいと考えます。


保守は安定を望み、コストを計り、慎重を期します。
しかし、コストを恐れすぎるあまり、しばしば成すべきことを成せません。また、「今そこにある苦しみ」を見捨てがちになるきらいがあります。
革新は理念を語り、原理・原則を振りかざし、大胆さを好みます。
しかし、原則にこだわりすぎるあまり、しばしば地面から足が離れがちで、自己陶酔に陥り易いです。また、「今そこにある苦しみ」を救おうとして、要らぬ事までしてしまうことがあります。


両者に危険で愚かしいところがあると思います。
しかし、私は保守主義の知恵に敬意を払い、常に念頭に置くことを忘れないようにしながらも、革新主義に居座ることを恐れずにいようと思います。
成すべきことを成したいと思います。「今そこにある苦しみ」を救いたいと思います。


システム改変には大きなコストが伴います。少なくないヒト達がこのシステムは正常に作動し運営すればなにも問題は無い、今ある問題は運営上の不手際レベルであって、それを是正すればシステム自体の改変は必要ないと言います。
確かにそのレベルで解決する問題もあるでしょう。しかし、多くの問題はこうした言説で擁護されながら今なお問題として残存し続けています。
システム自体を改変することを恐れるべきではありません。
コストを冷静・明晰に算出し、ベネフィットと突きつけ合わせることは必要ですが、コストを恐れるあまり過大評価してはなりません。


革新主義の立場に立つことの危険性は十分承知しているつもりです。私一人にできることも限られています。
そのシステムは本当に必要なのか、変えるべきでないのか。現実に変えることができなかったとしても、システムを懐疑・監視し、その革新を訴え続けたという事実は重大な意味を持つことでしょう。


私は左翼ではありません。しかし、革新主義者です。
両者が混同されている現状下、私が大まかに言って左派に分類されることは無理からぬことです。そして、私自身も左派の言説に親しみを覚え、左派との違いを完全に明確化できないことも。
それでも私は保守主義者ではありません。いかなる意味でも、とまで言えるかどうかは、まだわかりませんが。