ゼミナリステン諸君へ


2006/07/08(土) 22:54:23 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-246.html

ローカルなネタを一つ。と言うより、ローカルなのかい?という話。


「ゼミテン」という言葉を使う/使ったことがあるだろうか。「ゼミナリステン Seminaristen」(ドイツ語で「ゼミ生」の意)の略語らしい。


らしい、と言ったのは、専ら口語で用いられるためにどうしても明確には由来を確定できないと思われるからだが、複数のソースでそう明言されているし、他に由来についての有力説も見あたらないため、まず確かではある。


で、複数のソースは「ゼミテン」が一橋の方言だと伝えている。このエントリを書いているきっかけも、一橋の某教員のブログで同様のコメントがなされていたためだ。現に検索してみると、まぁ面白いように一橋のゼミHPばかり引っかかる。


一橋用語だなんて本当かい?と思って調べたわけだが、どうやらそうみたい。ゼミナリステンは一般名詞なのに、その略称は数ある大学のうちで局所的に日常的使用されているというのはやや不思議な感がしないでもない。いかにも広報的な言い方になるが、ゼミナール教育に力を入れていると言われる一橋ならでは、ということだろうか(余談:こういう広報を見ると政治学分野の人間は何か肩身狭い思いがする)。


しかし、ゼミテンが一橋用語らしいということはわかったが、ゼミナリステンが省略されてそれが一般化されていく過程などは全く不明だ。資料的な話をすれば、高島善哉『アダム・スミス』のあとがきや、アダム・スミス『法学講義』(水田洋訳)の解説などには「ゼミナリステン」の語が見出せる。確かに、これぞまさしく!、の感はあるだろうが、ここではあくまでもゼミナリステンであってゼミテンの語は見えない(公刊書物だから略語は控えた、という可能性も無きにしも非ず?)。


お、もしかしてこれは学部生諸君には卒論などのいいネタになるかも。一橋新聞などのバックナンバー漁ったり、聞き取りしたりしてまとめれば、結構教員に面白がられるものが書けるかもよ。さらに、もっと広い視野で本格的にやることも不可能では無さそうであるが。でも、既に誰かやってたりして。


と言うか学部卒業してからこんなことを知るのも結構恥ずかしい気がしなくもないが、結構知らないもんじゃないですか、どうですか皆さん。


とりあえず今後一回は、自然な流れで「ゼミナリステン」って言いたい。


アダム・スミス (岩波新書 青版 674)

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法学講義 (岩波文庫)

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