2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

精神障害者をどう裁くか

精神障害者をどう裁くか (光文社新書)作者: 岩波明出版社/メーカー: 光文社発売日: 2009/04/17メディア: 新書購入: 3人 クリック: 169回この商品を含むブログ (37件) を見る 良書である。既に多数の著作を持つ現役の精神科医が、とりわけ法に触れた精神障害…

国会議員の世襲制限に関する憲法学的考察

まず、世襲制限が憲法で認められている職業選択の自由を侵すために不可能であるとの議論があるが、これは正しくない。職業選択の自由とは、個人が自らの就職・転職・退職を決定し、選択した職業を遂行するにあたって、国家の規制を受けないことを意味する。…

リスクと不確実性について

少し前の話になるが、kaikajiさんとBaatarismさんの以下のやりとりに触発されて考えたことをまとめておく。 経済学的思考のすすめ@梶ピエールの備忘録。 テポドンの経済学@Baatarismの溜息通信 BMDを棄つるの覚悟@梶ピエールの備忘録。 国際関係における…

雇用関連の議論のもつれ

城繁幸さんのブログでコメントして、あしらわれました。http://blog.goo.ne.jp/jyoshige/e/3c7fcecc268aa717e93700cbb43146fc森永卓郎の主張に整合性が無いとする理由がよく解らないのですが、私所詮素人なので深追いは止めておきます。それにしても雇用問題…

最近のアナーキズム周りについて

最近書店を歩くと、チョムスキーやグレーバーのアナーキズム論の翻訳が並んでいたり、「新しいアナキズム」が云々などという本まで売られていたりします。チョムスキーの「アナキズム論」作者: ノームチョムスキー,木下ちがや出版社/メーカー: 明石書店発売…

かかわりあいの政治学7――相続はなぜ認められるのか

承前。 相続はなぜ認められるのだろうか。ある人の連れ合いや子どもであることが、その人の死後に財産を無条件で譲り受ける権利を発生させるのは、なぜなのだろうか。相続については、相続税をもっと引き上げて――場合によっては100%にして――所得再分配に活…

かかわりあいの政治学6――時効はなぜあるのか

承前。 近年、刑事上の公訴時効制度について、その存在理由を疑問視する声が高まってきている。同制度については、犯罪被害者遺族の感情への配慮や捜査技術の発達などを背景として、2004年に公訴時効期間を延長する内容の法改正が行われたばかりである。それ…

正しいのはオレだ

例えば音楽で世界を変えようとすることは、愚かなことだろうか。「愛と平和」と叫んで暴力を止めようとすることは、馬鹿げているだろうか。本気で世界を変えようとしている人は馬鹿と呼ばれても別に何も思わないだろうが、実際のところ馬鹿でもなんでもない…

政治資金関連制度について

小沢事件があり、どう考えたらよいかということで勉強しなければと思い、とりあえずウェブで読める論文を物色中。その中から、とりあえず以下を備忘に録しておく。 北野弘久「政治献金の課税と国民の参政権」『早稲田法学』第55巻第1号、1980年3月 著者は租…