倫理学の根本問題


確か修論を書き上げた後の数週間で一気に書いたのだけれど、その先がどこに向かうのか、今一つ見通しが悪い気がして寝かしておいた論文がありまして。「覚え書き」を書くことで社会学的な見通しは付けられたし、Egoist Manifestを書いて自身の暴力衝動の発露の仕方についても一区切り付いたと思うので、改めてブラッシュアップして完成させることにしました。でも内容と今の私の立場を鑑みて、きちんとした媒体で近くに公開できる当ても無いので、なかなか迷ったのですが、自分で公開することにします。


倫理学の根本問題――価値相対主義とエゴイズム――」(pdf)


中身は、価値相対主義を批判から擁護し、正義に対するエゴイズムの優位を主張することを通じて、倫理学の殺害を企図するものです。リベラリズム批判やデリダ批判、応答責任論批判なども含まれています。参考までに、目次を以下に掲げます。

  • はじめに
  • 1.正義は存在しない
    • 1-1.価値相対主義への批判
    • 1-2.価値相対主義の擁護
    • 1-3.正義には従うべきか
    • 1-4.価値の比較不能性とリベラルな中立性
    • 1-5.政治の不可避性と正義の不可能性
  • 2.自分さえよければよい
    • 2-1.エゴイズムの意味と選択
    • 2-2.エゴイズムの主体
    • 2-3.責任とエゴイストの生
  • おわりに


あと、この論文の姉妹編と位置付けることが可能な「神と正義について(正義の臨界を超えて)」についても、加筆・再構成して一本の論文に仕上げた方が良いのかどうか、思案しています。シュティルナーそのものについての研究はもう少し寝かせざるを得ないのですが……。