社会

現代日本社会研究のための覚え書き――経済/労働

やっぱり経済は粗が見えやすい。色んな人に怒られ/呆れられそうです。あくまでも「覚え書き」であるとのエクスキューズを忘れないようにしましょう、皆さん。いや、むしろ具体的にご教示頂けるのなら、その方がありがたいのですが。

後藤和智さんの言説について、最後に

おまえが若者を語るな! (角川oneテーマ21 C 154)作者: 後藤和智出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング発売日: 2008/09/10メディア: 新書購入: 9人 クリック: 334回この商品を含むブログ (74件) を見る 後藤和智『おまえが若者を語るな!』を読みまし…

現代日本社会研究のための覚え書き――序論

何の因果か、「宮台チルドレン」呼ばわりされたことがあるのですが、宮台の著作をこれだけ読み込んだのは今回が初めてですよ。だいたい、私が初めて宮台に触れたのは仲正との対談本ですから、同世代の中でも宮台受容は遅いはずです(全く受容していない人は…

現代日本社会研究のための覚え書き――目次

一応折り返したかなと思うし、テーマと順番がほぼ決まったので、目次を作ってみました。新しいものを書くに従って更新していきたいと思います。これまで、書いた順に通し番号を付けてきましたが、これを機に、新しくアップするものには番号を付けないことに…

現代日本社会研究のための覚え書き――7.教育

今回は短め、です。その分、増補の余地が大きいと思われ、ます。特に90年代以降については、もう少し勉強&検討が必要かと。

犯罪報道に実名など要らない

少年法第61条に関して、柔軟な運用を求める立場がある。要するに、少年犯罪でも場合によっては実名報道したってよいではないか、という主張である。 その論拠は大まかに言って3つ程あるだろうか。 (1)マスメディアには表現の自由が、国民には「知る権利」が…

現代日本社会研究のための覚え書き――6.セキュリティ/リスク

予告通り書いたけど、長いよ。長すぎる。えらい時間かかったが、ようやく形になった。細かい部分で不備がたくさん残されているとは思うけど、ひとまずアップしておく。いちいち全体を見返すのもダルイ。後日、直せれば直そう。この後は、多分「教育」「経済…

現代日本社会研究のための覚え書き――5.親密圏/人権

「権利意識」の拡大によって社会が変わっていると主張すると、いかにも頼りないように見えるけれども、これぐらい大きく、それなりに幅広い文脈の中で主張すれば、説得力が出るだろうか。下の文章は、「自由と管理」などで言ったことを、もう少しきちんと言…

現代日本社会研究のための覚え書き――4.市民社会

今回は未だ内容がスカスカで、ストーリーもできていないしキーワードも出てこないのだが、どうせ覚え書きなので箇条書きが混在する形でひとまずアップしてみる。このテーマでは、ネット上の情報に頼って書けるのはこの位が限界かな。データ類は十分ではない…

現代日本社会研究のための覚え書き――2.スピリチュアル/アイデンティティ(第2版)

扱うトピックは概ね決まり。既に書いた「家族」「メディア」「スピリチュアル/アイデンティティ」(改題)の他、「教育」「経済」「市民社会」「人権/親密圏」「セキュリティ/リスク」「政治/イデオロギー」「ネーション/国家」の10編で、さらに序論と…

事実・想像・理論と、その周辺

1.「言説を紡ぐ/に対する態度」の補足として。 北田 さっきの脳の話で言うと、斎藤環さんがお怒りになっていた「ゲーム脳」論がありました。斎藤さんの反論はおそらく正しい。しかし、問題は斎藤さんを無条件に支持する人たちです。たぶん斎藤さんを支持す…

現代日本社会研究のための覚え書き――3.メディア

今回も、もの凄く長い。例えば「事実が必要とされない理由」などが読まれるときに併せて読んでもらえるとよいと思うのだが、そんな物理的手間をかけてくれる人は少ないかな。でも、このシリーズは1回がだいたいこのぐらいの長さになりそう。家族の時は落合・…

現代日本社会研究のための覚え書き――1.家族(第2版)

前回はスピリチュアルについて書いたが、「私らしさ」「個性」の希求や「自分探し」などについて言及するのを忘れた。増補の機会に盛り込みたい。今回は家族についての増補改訂版であり、第1版と認識が変わっているところもある。かなり長いので、注意された…

現代日本社会研究のための覚え書き――2.スピリチュアル

前回の「覚え書き」は第一回目で手探りということと、駆け足で書いたために手元に在った情報を詰め込むだけで手一杯だったということもあり、「覚え書き」にしても、極めて不十分なものに留まっている。これではいかんということで参考文献を読み直すなどし…

現代日本社会研究のための覚え書き――1.家族

跳躍のためには地盤が要る。飛躍のためには助走が要る。全てを見極めてから跳ぼう/飛ぼうとすれば黄昏になるまで待たねばならないが、直感/直観だけで跳ぶ/飛ぶのは瞬間的に快を覚えるだけだろう。再帰的近代化論やポストモダン論は社会の変化を語ってお…

「動物化」論は若者論ではない

後藤和智「宮台真司、東浩紀――若者の「理解者」こそ若者の「敵」 インチキ「若者」論の元凶はコイツらだ!!」『m9』第1号(晋遊舎、2008年4月)では、東浩紀の「動物化」論が、おおまか以下のような特徴付けをされ、「若者論」として捉えられている。 (1)…

安全と国家

公法研究 2007年 10月号 [雑誌]出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2007/10/12メディア: 雑誌この商品を含むブログ (1件) を見る 昨日図書館で見かけて、面白い特集していると思ったが、時間が無くてパラパラとしか見られんかった。ので、メモ。「安全の中の自…

事実が必要とされない理由

死刑や治安悪化言説についても当てはまる現代に共通の問題として、「必ずしも事実が求められていない」ということが挙げられる。求められているのは事実よりも物語であることが多い。死刑の犯罪抑止力を証明する根拠が無いことをいくら説いても、死刑存置派…

後藤さんの宮台批判について

これも書き付け程度に。断片的な言葉をめぐって誰かと応酬するのは嫌なので、この件については考えがまとまるまで一切書かないのが賢明だと思っていたのだが、考えをまとめるために時間を確保する見込みが当分無いし、誰だか知らないが何となしに催促されて…

近代的法主体は近代法を解体するのか

論座 2008年 01月号 [雑誌]出版社/メーカー: 朝日新聞社出版局発売日: 2007/12/01メディア: 雑誌 クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見る 藤井誠二・芹沢一也「「殺された側の論理」と「犯罪不安社会」のゆくえ」『論座』2008年1月号(第152号) 重…

被害者及び死刑

宮崎哲弥・藤井誠二『少年をいかに罰するか』講談社:講談社+α文庫、2007年 過去の少年法をめぐる議論は、法務省や検察、弁護士、矯正施設など制度として少年犯罪に関わる立場の人間が、年齢引き下げなどで少年犯罪が減るかどうかという社会効果の観点から…

現状認識と評価の差異

以下の認識は非常に重要なものであり、より明確な論拠に基づいた詳細な研究の出現が待たれるところである。 しばしば、戦争の民営化は「国家だけが合法的に戦争をすることができる」という主権国家の原則を破壊し、それによって国家の権力を縮小させるだろう…

左翼とリベラル

赤木智弘氏の新著http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_c3f3.html赤木智弘氏の新著その2〜リベサヨからソーシャルへhttp://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_2af2.html 赤木さんの本は未だ手に入れていないが、以前紹介…

幾つかの局地戦と「大局」

論座 2007年 11月号 [雑誌]出版社/メーカー: 朝日新聞社出版局発売日: 2007/10/01メディア: 雑誌この商品を含むブログ (6件) を見る 『論座』2007年11月号。小熊英二の談話と鈴木謙介の対談だけ立ち読み。小熊の記事は戦後左翼運動史を概説して「プレカリア…

政治過程または一般的決定過程におけるステージ・アクター・評価

2007/09/09(日) 20:00:17 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-362.html 西野喜一『裁判員制度の正体』(講談社:講談社現代新書、2007年)を読んで裁判員制度への消極的態度を新たにしたわけだけれども、どういうプロセスにおいてどういうアクターが関与…

イデア論的現実批判と抑圧の移譲構造

2007/08/31(金) 22:33:13 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-360.html デリダが間違えたのは、不完全なものが知られるためには完全なものが想定されていなければならない、と考えたことだ。これは、完全無欠の理想たるイデアを虚偽と迷妄に満ちた現実に…

言説を紡ぐ/に対する態度

2007/07/30(月) 18:13:07 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-355.html 別件でisedの議論を再読していたら、以前ソースを示さずに言及したことがある箇所を見つけたので、以下に引いておく。いつか消えるかもしれないし、過去に私が書いた幾つかのエント…

gated communityとリバタリアニズム

2007/07/11(水) 16:46:34 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-352.html 竹井隆人『集合住宅デモクラシー』(世界思想社、2005年) エヴァン・マッケンジー『プライベートピア』(竹井隆人・梶浦恒男訳、世界思想社、2003年) エドワード・J・ブレークリ…

「俗流若者論」批判は切れすぎる刀か

2007/06/26(火) 22:04:19 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-349.html 後藤和智(新・後藤和智事務所 〜若者報道から見た日本〜)さんのインタビュー。 後藤和智さんインタビュー 前半@女子リベ 安原宏美--編集者のブログ 後藤和智さんインタビュー 後…

スピリチュアル的なものとモノ・サピエンス的なもの

2007/04/29(日) 17:41:13 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-337.html 今期、学部1年生向けの「社会科学概論」という講義にもぐっている。この講義は社会学部の必修講義なのだが、二人の教員がそれぞれ同名の講義を同時に行っており、どちらか一方を履…