2005-01-01から1年間の記事一覧

「市民社会」という彼岸/悲願

2005/07/21(木) 22:59:39 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-103.html 『社会認識の歩み』内田義彦(岩波新書、1971年) こういうところばかりを引用すると、うんざりした声が聞こえてきそうだけれども。 しかし私がここで注意したいのは、「テイク…

アナーキスト向け

2005/07/21(木) 02:26:41 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-104.html 『アナキズム』第六号(特集:個人主義──叛逆の原点) 購入。とりあえず、特集記事の主だったところだけ読んだ。 一応以前にも紹介した立場から言うと、まぁ一般の方はわざわざ購入…

『アダム・スミス』 高島善哉

2005/07/14(木) 14:42:40 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-100.html 岩波新書、1968年。 まず人間とはそもそもなんであるか。人間は一方からみれば理性の持主であり、精神の所有者である。この見方によれば、理性や精神の自覚の弱い人間は真の人…

続・共同性の政治学

2005/07/10(日) 16:20:18 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-99.html 共同性の政治学*1 の続き。 前回の関心(主に齋藤純一からの引用部前後)につなげる形で、今回はまずピョートル・クロポトキン『相互扶助論』(大杉栄訳、同時代社、1996年、原…

失敗、責任、反省、改良

2005/07/08(金) 18:31:42 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-98.html 出発点はこれでいいけど、 http://tsurutaka.blog6.fc2.com/blog-entry-56.html こうした認識も不可欠。 http://taishin.blog5.fc2.com/blog-entry-53.html もちろん、私の暴力は構…

まず個人が存在する

2005/07/08(金) 16:12:31 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-97.html 個人情報保護についてはなかなか難しくて考えがまとまっていないが、今後の為にとりあえず内田氏の話を引っ張っておく。 個人情報保護とリスク社会@内田樹の研究室 全体として首肯…

共同性の政治学

2005/07/05(火) 00:54:39 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-95.html 「自分」と「他人」 世の中それだけっきゃねえと思うから あんたのそばにいる正当な理由が欲しいんだよ (「異星人交差点」『異星人交差点』藍川さとる、新書館、1997年) 世界には自…

昼間のルソーはちょっと違う

2005/07/02(土) 15:26:44 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-94.html ルソー『社会契約論』を読むと、既存の制度や理論がいかにここから基礎付けられているかを思い知り、何だかしみじみとした気分にさえなる。誰もがいちいちルソーを参照して考えてい…

「内田氏批判」観覧のあとがき

2005/06/25(土) 18:16:25 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-89.html 「居直り」という問題 その1 「居直り」という問題 その2 内田批判のまとめ araikenさんが内田氏批判劇にひとまず幕を下ろしたわけで、わざわざリプライを頂いた身としては、何か…

知られていることを知ること

2005/06/21(火) 19:39:24 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-86.html 今更このことを書くのもどうかと思うのだが、今朝の『朝日新聞』に特集が組まれていたので、個人情報保護について思うことを徒然に。 まず、「自分に関する情報をコントロールする権…

美しい刃とたくましい嘘

2005/06/15(水) 01:09:27 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-83.html ジョン・F・ケネディが暗殺された日の晩に、ある友人が涙ながらに電話をしてきてこう言った。「だがなバーナード、だからといって、本当の暴君は殺されて当然だということを断じて…

「強い個人と弱い個人」の語り方

2005/06/11(土) 01:12:32 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-82.html 「強い個人」と「弱い個人」については、何回か断片的に書いてきた。個人的に改めて少し整理する必要を感じたので、現時点での考えをまとめてみたい。 強い個人というのは、近代的個…

聖性再考、そして、私である私

2005/06/07(火) 18:30:04 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-79.html かつて、こう論じたことがある*1。 もちろん、女性に前提的に付託される、清浄で穢れを知らない(はずである、べきである)というイメージは多くの場合フィクションである。女性が社…

「外部」を志向することの困難

2005/05/28(土) 16:13:19 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-75.html このエントリは、「araikenさんの内田氏批判再考」の続きである。 まずはaraikenさんの最近のエントリから引用する。 以下、「センセー、やっぱり違うと思います! その1」より。 4…

araikenさんの内田氏批判再考

2005/05/27(金) 01:46:18 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-74.html araikenさんによる内田氏批判は未だ熱い。現在は、内田氏の文章をaraikenさんとは別様に解釈している複数のブロガーからの内田氏擁護論に対する反論の展開に状況は移行しているよう…

軍隊への幻想あるいはリアリズムをめぐって

2005/05/25(水) 18:35:03 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-73.html 大屋先生、いつもありがとうございます。 「絶対的平和主義をめぐって」@おおやにき 個人的にもう少し深めたいのはこの辺りの議論。 国家として軍隊を持っている状態は個人の非暴力…

それは絶対平和主義だけの問題なのか

2005/05/23(月) 15:26:57 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-72.html 大屋氏が、『論座』6月号における井上達夫氏他の憲法論を取り上げたbewaad氏のエントリに「某弟子」として応じている。 当該論文は未読であるので、詳しいところはよくわかっていな…

安心担保装置としての九条

2005/05/16(月) 17:32:45 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-69.html 死刑制度の廃止を主張する時に、死刑に犯罪抑止効果が無いことを論証しようとしても、それ程世論に訴えかけない。その要因のひとつには、完全な証明は不可能に近いことがある。しか…

森達也とか外交とか

2005/05/13(金) 15:27:46 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-66.html 一人ができることには限界がある。 だから他人に頼る。任せる。お願いする。あるいは使用する。 興味がある分野のことでも、考えを上手く言語化できないとか、あまり深くかかずりあ…

アプリオリな固有性について考える

2005/05/10(火) 18:36:46 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-63.html 個人におけるアプリオリな固有性って何だろうか。 これまで、個人から多様な属性や社会的位置を除いた部分としての「固有性」と区別すべきものとして、属性なども合わせた上での「総…

大屋論文における「唯一者」の誤解

2005/05/05(木) 18:57:28 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-59.html 何とも挑戦的なタイトルだな。 本題に入る前に述べておきたいのですが、前エントリの最後に「しばしお待ち頂きたい」とある「しばし」は結構長〜い「しばし」になると思いますので、…

リバタリアンが導出する「大きな政府」

2005/05/03(火) 21:51:55 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-57.html マックス・シュティルナーの思想は自我観、所有観、そして「唯一者」観においてきわめて独創的であり、また私がこれまで考えてきたこととほぼ一致する方向性を持っていた。 何より驚…

現代日本―ポスト福祉国家

2005/05/01(日) 17:12:26 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-56.html 余裕があるときにもう一度まとめて考え直す為の整理。 希望格差社会 階層化=大衆社会の到来 サンヘドリンの法理 ニーチェとオルテガ 「貴族」と「市民」 以上、@内田樹の研究室。 …

テキスト『財産権の理論』森村進

2005/05/01(日) 02:02:55 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-55.html 1995年、弘文堂。 主に自然権論に依拠した古典的自由主義者に分類されるリバタリアン、森村進の代表的著作。 自己所有権テーゼを擁護することに過半の精力を注いでいる。 ここで…

「こども」の悩みと生々しさを直視

2005/04/22(金) 20:32:04 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-49.html 「こどものことども」@おおやにき 何日か前に、小学生だかの子供を持つ主婦から、息子を含む学校行事のご一行が愛知窮迫もとい愛・地球博の会場入り口に設置された金属探知ゲートを…

左右確認、保守革新

2005/04/20(水) 18:44:20 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-47.html 保守・革新の対立と左右対立は区別すべきものです。 しかし、これらは多くの場合混同されています。 私は左翼ではありませんが、革新主義者の側に位置すると思います。 右翼は社会を…

読み手の問題か、書き手の責任か

2005/04/16(土) 16:36:28 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-43.html たまたま通りがかりに、前から保留にしていた問題に関連する議論を見つけたので、レッツエントリー。 ある日の「ブログ時評」コメント欄でのはいじゃんぷ氏の発言。 ところで「居丈…

犯罪被害者保護に一考

2005/04/12(火) 15:22:38 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-40.html 『中央公論』5月号をチラ見。 東野圭吾のインタビュー大体と呉智英を読んだだけ。 呉は近代国家原理が本質的に抱える問題、欠陥として被害者疎外を捉えていて、それはよく語られる…

構造的自己満足と圧倒的「正しさ」

2005/04/06(水) 22:16:04 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-36.html 「記識の外」から、引用(コメント欄)。 政治的立場がまるで違う人たちが一様にヨハネ・パウロ2世の功績を称えているのを見ると、教皇の死をもってして自らの贖罪を行っているよう…

実感と想像力

2005/04/02(土) 14:10:25 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-33.html 実感がわかないんだよねぇ、と、よく言われる。 自分達の国の飽食、大量消費が貧しい国の飢餓を助長しているといった旨のデータ、論理を見聞きしたとき。 戦争や貧困といった「昔話…